続・オススメの映画館

はじめに

前回の記事「ライブビューイング実施映画館の布教みたいな」では、アイマスライブでのライブビューイング実施実績のある映画館でオススメのものを紹介していきました。今回の記事では、ライブビューイング実施実績がなく今後もおそらくなさそうだけど、純粋に映画館としてここもオススメしたいというところを紹介していきます。ライブビューイングのついでに行くことはできないので(ライブビューイング対象館からハシゴするなら別)、本当に映画を見に行く、そういう感じになる場所です。

シネマシティ (立川)

私を映画館沼に沈めた罪深い映画館です。

初めて映画館に行ったのは、まどマギの映画を見に行ったときです。八王子から一番近い上映館であるここへ……ではなく、TOHOシネマズ海老名で見ました。八王子に住んでるのに立川いくのは負けた気がする、そういう考えから立川以外で近場のとこをって考えた結果が海老名でした。そんなこともあり、ここに行くことは無いだろう、そう思っていたのでした。

しかし、今となっては最寄りの映画館ということもあり、最も行く映画館です。どうしてこうなったのか? 時は2015年に遡ります。きっかけはガールズ&パンツァー(ガルパン)劇場版……ではなく、マッドマックス 怒りのデスロード(MMFR)です。Twitterのタイムライン上で、ここのMMFRの極上爆音上映がすごいと話題になったのです。

なんか話題になってるから見に行こう、でも立川いくのはすっごいくやしい、でも行こう。というわけで、ネットで予約しようとしたのですが、見に行くのがお盆休みの平日なので、無料会員だと料金1800円+システム利用料50円がその場で有料会員登録すると半年会費600円+料金1000円という案内にきょとんとするハメに。え、1回みるだけで元取れるの? なんかこのシステム大丈夫か? あからさまにお得すぎて罠あるんじゃ? 半信半疑になりながらも有料会員登録&チケット予約しました。

そして当日、ついに上映です。満席直前で予約したのでだいぶ端の方の席。まぁ席はあまり場所を気にしていなかったのでまあよし。お約束の映画泥棒、そして予告、その後本編です。ワーナー・ブラザーズのロゴとともにエンジン音、なんという迫力だろう。これが映画館の音響なのか。しかし、驚くのはまだ早かった。冒頭のトカゲを踏みつけた瞬間です。

は!?!??!?!!??!?!?!?!?!?!?

即落ちでした。映画は映画館で見なければ満足できない体にするのにはもう十分でした。ガルパン劇場版がここでファーストラン上映あると気づいたときは期待が高まりましたし、実際初回はここでみました。

昔話はこれくらいにして、シネマシティの紹介へ。

立川にある独立系のシネコンです。シネマシティとしてはそこそこ歴史があり、東京都初のシネコンだったりします(多摩地区初ではなく東京都全体で初、23区にはまだシネコンはなかったのだ)。日本初ではないのは、前回紹介したワーナー・マイカル・シネマズ海老名が先だったためです。しかし、前身のタツミ興行まで遡ると立川で3館・八王子で1館の映画館を運営していたりするのですが、その話は割愛(まぁそんな昔のことは知らないしーという逃げ)。

この映画館はとにかく音響には非常に力をいれており、特にシネマ・ツーは映画館単独で(要はテナント等の他店舗一切なし、非常に珍しい構造)、こだわりぬいて設計して建築したほど。また、MMFR上映直前から、数回にわたってスピーカーの設備投資をしており、正直そんなにバカスカ買って大丈夫なのかとやや心配になるほどだ。だが、映像は少し残念な感じもしていたのですが、これもガルパン劇場版2周年あわせでスクリーン更新され大きく改善され、もはや死角はなさそうな感じに。2年目からは断続上映とはいえそんなに長期間上映やってたのはおかしいとかツッコミ禁止!

ただ、よい環境(音響や映像)で上映できるのは映画館なら当たり前である。イープラスでチケットが買えるくらい当たり前である。この映画館の良いところは、他にもある、むしろ推したいのは、次の点である。

この映画館では、20分前までなら予約をキャンセルできる。無手数料でキャンセルできる。

いろんな映画館行ったことある人なら、これにはびっくりすると思う。通常、映画のチケット予約したらキャンセルはできない。ほとんどの場合、予約したら最後、見ても見なくても代金は引き落とされます。

もちろん例外もあります。前回も紹介した通り、新静岡のシネシティ ザートでは「条件付きではあるもののキャンセル可能」ですし、イオンシネマでは同じ館での限定になりますが上映開始一定時間前までは上映日や作品の変更は可能です。

事前に予約したけど、当日行けなくなった。そういう時は、シネマシティならキャンセルすれば財布は傷みません。レイトショー行こうとおもったら残業でまにあわない、急な悪天候(多摩地区は冬は雪が降ることもあります)で行けなくなった、中央線が止まった、サンライズが運休で朝9時の上映にはもう間に合わない、そういう場合でもキャンセルができるというのは心強いです。

キャンセル可能なのは急にこれなくなった人ががっかりしなくて済むようにという点でとてもよい仕組みです。しかし、キャンセル可能という制度はもうひとつの側面があります。

なぜ映画館のWeb予約がキャンセルできてはいけないのか、あらゆる方向から考えましたが、予約を促進させるメリットを打ち消すような理由は見つかりませんでした。クレジット決済をしていただく以上、悪意あるいたずらを防ぐセキュリティの確保も出来ています。また人気チケットの転売対策にもなります。キャンセルが可能な以上、オークションなどへの出品は転売目的以外にはないと断定できるからです。

映画館のWeb予約システムは“エンタメ”となるか? 立川シネマシティの施策|Real Sound|リアルサウンド 映画部 より

「オークションなどへの出品は転売目的以外にはないと断定できる」なんというパワーワードでしょうか。キャンセル可能というのがこのような意味も持つとはね。もちろん、これはキャンセルではなく変更であれば可能なイオンシネマでも一応当てはまると思います(変更可能ということをあまりアピールしていない感はありますが)。

なお、このキャンセル可能という制度、川崎チネチッタが導入予定と発表しています。他の館へも波及していくことを期待しています。特に、小回りが効く独立系のシネコンがこういう所はどんどんやってほしい。

キャンセル可能以外でも、シネマシティの予約システムの使いやすさは群を抜いています。不満点が無いとは言いませんが、少なくとも一番使いやすいシステムです。(ちなみに個人的にサイテー評価してるのはユナイテッドシネマ)

ムビチケが予約システムで使えないのはデメリット……とは思いません。なぜなら、有料会員なら平日1000円・休日1300円です。ここでムビチケ(通常は1500円ですよね?)を使うメリットが思いつきません。他の館で使いましょう。

長々と書いてしまいましたが、シネマシティが一番よく行く映画館なのは単に近いからだけでないことは分かってもらえたかなと思います。

シネマシティ <https://cinemacity.co.jp/>

塚口サンサン劇場

東の立川シネマシティ、西の塚口サンサン劇場。私を映画館遠征沼に沈めた罪深い映画館です。

塚口サンサン劇場は、兵庫県尼崎市の阪急塚口駅すぐそばのミニシアターです。今や映画館といえばシネコンのイメージが強く、ミニシアターはあまり注目されない、そんな感じではないでしょうか。しかし、ここは違います。全国各地から人が来るミニシアターです。実際、私も八王子から何度も行ってます。

よい環境(音響や映像)で上映できるのは映画館なら当たり前である。じゃあ、ここの魅力は何かというと、企画力と作品愛です。

ここ最近で印象的だったのはバトルシップでしょうか。地上波テレビ放映時に話題になったのをみて(もちろん塚口サンサン劇場で上映してくれという声もでた)、即上映を検討しはじめ、実際に後日上映されました。

また、先日専用アプリがリリースされたのですが、そのリリース直後にシン・ゴジラの地上波テレビ放映がありました。放映終了後余韻も冷めやらないうちに、このアプリが通知をだしてきました。

「緊急G警報発令!」

やりやがりました。シン・ゴジラの上映予告ですよ。このタイミングで。このためにアプリのリリース間に合わせたとかもうね。

関西の人は塚口サンサン劇場があることを誇っていいですよ、本当に。関西地区最高の映画館ですよ、本当に。全部の映画館行ったわけじゃないのに勝手に最高っていうのはどうかと思われるかもしれないけどもしここを越える映画館あるならむしろ教えて欲しいくらいですよ、本当に。

塚口サンサン劇場 <http://www.sunsun.info/>

イオンシネマ幕張新都心

イオンシネマ、それは現在国内最大規模のシネコンチェーン。そういった大手は画一的で個性がない、そんなイメージになるかもしれません。

しかし、ここは一味違います。「ガルパンがらみでは何しでかすかわからない三大映画館」の一角であり(ガルパンTV版全話上映をシネマシティと同時刻にぶつけてきたりもした)、他にも幼女戦記全話オールナイトやったりと、結構やり手です。

ここのメインは8番スクリーンです。イオンシネマでは独自のブランドでウルティラというのがあり、幕張新都心では8番がそれです(なお、前回の記事ででたシアタス調布では10番スクリーンがそれです)。この8番スクリーンはDOLBY ATMOS対応でもあります。DOLBY ATMOSやdtsX対応の場合、天井にもスピーカーがあるのが目立ちます。ここの場合、結構大きくて重そうなスピーカーが設置されており、当然落下したら大事故(先日ライブ会場でカメラが落下した事故は記憶に新しいかと思います)なので、設計・設置はさぞかし大変だっただろうなということが感じ取れます。具体的にどのくらい大変だったのかはヒビノさんの「最高の音響」と「安全」への熱意 – イオンシネマ幕張新都心を体感!ヒビノ映画音響設備セミナー(3)という記事を読むと当時の苦労がわかるかと思います。

幕張地区でのライブビューイングはシネプレックス幕張(海浜幕張駅前、ちょうどイオンモール方面の路線バス発着停留所が目の前)が定番でここでの実施はおそらく多くはなさそうですが(SideM 3rd 幕張公演では実施)、両館はそこそこ近いのでハシゴは容易です。もちろん幕張メッセからも近いです。都合つけばぜひ。

イオンシネマ幕張新都心 <http://www.aeoncinema.com/cinema/makuhari/>

おわりに

本日2018年1月31日は、かつて八王子にあったミニシアターのニュー八王子シネマ閉館から1年の日です。建物の老朽化で閉館となり、その建物も現在解体中(既に地上部分は残っていないくらい解体すすんでいます)です。実はこの映画館、かつてはタツミ興行が運営していた映画館です。そう、八王子の1館はこれだったのです。最寄りの映画館ですが、あまり回数は行きませんでした。上映作品の都合もありますが、やはりシネマシティのほうがいいからそっちに行ってしまうという感じでした。閉館により、八王子駅周辺地区から映画館がなくなりました(八王子市全体であればTOHOシネマズ南大沢がありますが、どう考えてもシネマシティのほうが近い、電車で南大沢行こうとすると途中にMOVIX橋本があるという有様)。寂しいですが、仕方ないことなのかな。

地元からは映画館がなくなりましたが、これからも色々な映画館で様々な作品を見ていきたいです。シネマシティ、川崎チネチッタ、イオンシネマ海老名、イオンシネマ幕張新都心、ユナイテッドシネマ水戸、塚口サンサン劇場、アースシネマズ姫路といったよく行く映画館だけでなく、気になる映画館あれば新規開拓も。また、今年はどんな作品に巡り会えるかも楽しみです。2016年が濃かった反動か2017年はイマイチな感じでしたが、今年はどうなる……?

そうだ、映画館いこう。